蒼夏の刹那
蒼との最初の記憶(オモイデ)が心いっぱいに広がり、それが足を止めた。



「……みんないるのに、どうして蒼だけがいないの?どうして、蒼だけが……」



“藍花”って、もう蒼は呼んでくれない。



学校へと続く思い出の坂道を引き返し始め、一歩、二歩と歩き、一目散に走り出す。







高二の夏、蒼く澄んだ夏の空が蒼く見えなくなった。







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