蒼夏の刹那
蒼く果てない空と海
いつもより早く起きて日も昇らないうちから、家を出る。



海なんて、絵本とか童話でしか見た事がない。お母さんの話だと、私は家で静かに本を読むのが好きで、外に出て遊ぶような子じゃなかった、と言っていた。



だから、蒼と初めて見る海にわくわくしていた。まるで、前日遠足が楽しみで眠れない子供のように。



バス停に着くまでの道中、私の頭の中は蒼と海の事でいっぱいだった。



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