蒼夏の刹那
ずっとこの楽しい時間が続けばいいのにと思う。



ずっと三人で変わらないままいられたら……



そんな事を思った時、速水くんが見透かしたように言った。



「ずっとなんてないよ」

「速水くん……?」

「……ないと思うけど、あるといいよね」



速水くんの横顔が寂しそうに見えたのは、私の気のせい……なのかな。



私がそんな事を思っていたら、ジュースを飲み終えた蒼がいきなりこんな事を言い出した。



「なあ、写真撮らへん?葉桜も綺麗やし」

「でも……カメラないよ?」

「携帯で撮ればええやん」



蒼が蒼い携帯を取り出しにっと笑う。



私は速水くんをちらりと見る。



「言い出したら聞かないし……撮ろうよ、記念に」

「そうだね」



いつか見た時に、みんなで振り返るのも楽しいよね。



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