翼~開け放たれたドア~
「…お前らが幹部か」

「こ、れ、お前1人で…?」

「…見れば分かるだろう」

確かに、彼女1人以外誰も立っていなかった。

そう、誰1人として。

床には、血にまみれた赤鬼の構成員200人が横たわっていて。

それは、彼女の圧倒的強さを示すには十分なものだった。

怯える男たちにツカツカと歩み寄った春輝は、いつもとは違う、見ている人をゾッとさせるような無表情で。

「お前らは絶望を感じたことはあるか」

そう、問いかける。

「は…?」

「…お前に何がわかる」

「でなきゃこんなことしてねえよ!」

3人は口々にそう答えたが、春輝は静かに首をふった。

「…お前らは汚れきってない。絶望はそんなものじゃない」

彼女の拳が震えていることに、彼らは気づいているのだろうか。
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