翼~開け放たれたドア~
「おい、それってどういう──「これ以上は話さない」」

空夜の声を遮り、きっぱりと言い切った。

「私は、空夜たちを信用してるわけじゃないから」

仕方なくいるだけ。

信用してない奴にwingのことを話すほど、私はバカじゃない。

「どうせ──…」

その言葉を自分が呟いていたとは気づかずに、そのまま私はまた空を見上げた。

どんよりとした曇り空は、今にも大粒の涙をこぼしそうで。

今夜、雨が降るな。

そんなことを、なんとなく思った。
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