翼~開け放たれたドア~
俺がやろうとしてることが、まるで分かっているようで。

やっぱ、こいつらは春輝に必要な存在になってくれてたと思った。

こんなにもあいつを大切に思ってくれてる。

それだけで、俺は──

「じゃあ、いかなきゃな」

俺はゆっくりと立ち上がると、歯を見せて笑ってみせた。

「…全面戦争だ」

俺の声は、王覇の奴らの笑いを誘った。

全員、決意が滲み出てる笑顔だった。

「ふっ……。上等だ」

相澤空夜が小さく、だけどはっきりと言い切った。
< 300 / 535 >

この作品をシェア

pagetop