翼~開け放たれたドア~
「龍也!」

「大丈夫だ…、やっぱ半端ねぇな」

雷さんの呼びかけに強がるような龍也さんだが、そうとう痛そうだ。

俺らでも逆らえない龍也さんがああなるなんて…。

それでも龍也さんは、春輝の目の前に立ちふさがっている。



「飛鳥、蓮。龍也さんのとこにいけ」

「了ー解」

「…チッ」

2人に指示をだし、とりあえず様子見をしようかと思った。

だけどたぶん…いや、絶対。

春輝は俺らより強い。



飛鳥と蓮が春輝に近づいた。

だが、

「ばっ!お前らくるんじゃねぇ!」

龍也さんの声がしたとともに、春輝の拳が2人めがけて振り下ろされる。

「いっ…!」

「…っぶねーな」

飛鳥はそれをギリギリ顔の前でうけとめ、蓮は間一髪でよけた。
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