翼~開け放たれたドア~
ん?直?

今まで黙っていた直はにっこりと笑って飛鳥をみている。

笑ってるんだけど…

「なーに、言おうとしてるのかな?
女の子に向かって」

後ろに鬼がみえる…。黒いね、直。

「す、すいませんでしたっ!!」

ほら、怯えて土下座してんじゃん。

今の黒い笑いは怖いだろうね。うん。

「ごめんね?春輝」

「……よくわかんないけど、ありがとう?」

「どういたしまして?」

直、笑ってるでしょ。絶対。

口を手で覆ってても、身体震えてんじゃん。
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