夜×恋サイト ~ディアナ~
「いつも送ってるし、迎えにも来てるだろ?」
そう言って笑う。
「うん、そうだね。 じゃあ……また後でね?」
そう言って雷ちゃんと別れた。
何で………雷ちゃんの車に可愛らしいピアス落ちてるの?
あたし以外にも、あの車の助手席に女の子乗せるの?
さっき……彼女居ないって言ってたじゃない……。
なのに……何でよ……。
目に涙が溜まっていく。
ヤバイ……泣きそうかも……。
校門付近で佇んで居た。
「美千流、おはよ♪ 今日もイケメンとラブラブだね~♪」
「裕美香……おはよ」
声を掛けて来たのは、長谷川裕美香(はせがわ ゆみか)という美少女。
キャラメル色の髪の毛で肩まである。
目も大きくて愛らしい。
見た目とは違い頼りになる女の子。
裕美香とは小さい頃からの親友。
そんな裕美香は、あたしの異変に直ぐに気付く。
「美千流、どーしたの? 何かあったの?」
裕美香が顔を覗いてくる。
「えっ!? 泣いてんじゃない!? どーしたの?」
焦ったような裕美香に、あたしは何も言えなくて首を左右に振るだけ。
この様子を見て裕美香の中で、これはただ事じゃないって判断したらしい。
「ほら人目につくし、とりあえず移動するよ」
裕美香はあたしの手を握り、引っ張るように学校の中を歩く。
引っ張られながら歩いて来たのは保健室。
保健室の扉を開け中に入ると薬品の匂いがする。
保健室には、先生も居ない。
だから2人で奥にある窓際のベッドに座った。
「美千流、泣いてるって何があったの?」
「今日、雷ちゃんに車で送って貰ったら……助手席の足下に女性用のアクセサリーが落ちてたの。 それを発見したら……胸が痛くて」
車に落ちてたピアスを思い出すと、やっぱり胸が痛い。
また溢れ出す涙で視界が歪む。
そんな時に裕美香が盛大な溜め息を吐いた。
「……そっか美千流、それが嫌だったんだね? 雷さん、バカだしマヌケね」
「雷ちゃんは頭いいよ? 」
そう言うと裕美香が笑い出した。
「美千流、私が言う『バカ』ってのは学歴とかのじゃないのよ。 甘い考え方がバカってことよ」
裕美香の言う『バカ』ってのが良く分からず、あたしは首を傾げた。
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