幼なじみがバスケ部に入った訳






幼馴染だって…

家が隣だって…

生まれた時から一緒だって…





高校一年生になれば、

女と男では違う。

言って許される事と許されない事がある。







「愛唯、悪かったって…」


ブスッとしながらセカセカ歩く私の横で優雅に足を動かしながら歩く葵。


私としては早歩きして葵と差を付けようとしているつもりなのに、

身長や足の長さから、それでも葵が余裕なのが悔しい。


………まあ、逆に言えば……

葵の早さならもっと早く歩いてもっと早く家に帰れるのに、

いつも遅い私に何も言わず合わせて歩いて居るって事なんだけど。


いつもいつも私と歩く速さが同じな葵。

きっと、小さい頃から私に歩く速さを合わせる癖が付いているんだ。




幼馴染としてそれは嬉しい事だし、葵の優しさだけど……



今はそれとは話が違って、

女の子(私)にデリカシーの無い事を言ったんだもの。

暫くは許さないんだから!





 
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