貴方との想ヒ出日記
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楽しかったスキー合宿は今日が最終日。

そして今はスキー合宿最後の朝食。

「手を合わせて」

「美味しい朝食」

「ごちそうさまでした」

ガシッ

「?」

私達はごちそうさまでしたの後に先生の話があるから席を立っちゃいけないってルールがある。

私よく立っちゃってたけど!

「コウヤ、この手は何?」

「いやお前立ちそうやったから」

「さすがコウヤ、ナイスやな」

先生まで!

ぶーっと膨れてると皆が余計笑う。

シュウも笑ってるし。

私1人膨れながら片付けしてるいると。

「カナお前は学習せんな」

「うっさい私のおかげで先生からの評価上がったんだから感謝しなさいよ」

「お前はどこまでも上から目線だなチビやのに」

「チビちゃう!150いった!」

本当は149だけど。

「カナさーん片付け手伝ってよー」

「…はーい」

コウヤのせいで皆の笑い者になっちゃったし!



昼食

「今回は立つなよ」

「立ちませーん!」

「手を合わせて」

「美味しい昼食」

あーあ。立たないようにしなきゃ。

立つな立つな

自分にそう念じていると斜め前のシュウがクルッと振り向いた。

そして口パクで何か言った。

タ・ツ・ナ?

立つな?

「!」

「ごちそうさまでした」

「お、今回はカナ立たへんかったな」

「むー…」

先生までバカにする!

とか考えてたら先生の話は終わって。

食器を片付けに行くと横にシュウがいたから。

「ちょっと。なんで立つななんて言うんよ」

「あ、ちゃんとわかったんや。

いやなんか立つかな?って」

「立ちません!

バカにしないでよ」

「ハハッバカにします〜♪」

「何よそれ!」

シュウは笑うと垂れ目になる。

それが可愛くてシュウの笑顔が好き。

卒業まであと14日。

それまであとどれだけこの笑顔を

目に焼き付けられるだろう…
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