腹黒王子に囚われて
 
「………へー……」


拓先輩は、瑛太を見ると
にやりと笑ってあたしへと目線をうつした。


「さすがだなぁ……葵」

「……」


拓先輩が、今何を言いたいのか分かった。


まるであたしが
二人をたぶらかしていると……。



「なあ、お前」



拓先輩は、嫌な微笑を浮かべたまま、瑛太へ近寄った。
 
< 145 / 257 >

この作品をシェア

pagetop