腹黒王子に囚われて
「……い……葵っ…」
「……ん……」
ふいに、体を揺さぶられている気がした。
ボーっとしながら目を開けてみると、辺りは真っ暗で……。
「葵!」
「………瑛太…?」
暗がりの中、あたしの目の前にいるのは瑛太だった。
「お前、帰らなかったの?」
「え?あ、あー……」
言われて思い出した。
確か、寝付くまででいいから手を繋いでてほしい、って言われたけど、
瑛太の顔を見ていたら気が緩んで、一緒に寝てしまったらしいのだ。
「……今、何時?」
「1時」
「……は?」
答えを聞いて、絶句。
1時って……
あの深夜の?