ヴァニタス
私は口を開くと、
「果南、です」

自分の名前を言った。

「カナちゃんね。

どんな字で書くの?」

それも聞くの?

と言うか、何かで必要になる時があるのだろうか?

そう思いながら、
「果実の“果”に“南”で、“果南”です」
と、字を教えていた。

「果実に南…で、“果南”って言うのか。

いい名前だね、かわいいよ」

彼は楽しそうに笑いながら言った。

いい名前って、何が?

私からして見たら、忌々しい名前なのに。
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