ヴァニタス
「――ウソだろ…?

なあ、ウソだろ…?

ウソに決まっているんだろ…?」

悪魔はパニックになっているのか、泣きそうな声で言って両手で頭を抱えた。

「本当は、果南が殺されるはずだったんだろ…?

そうなんだろ…?」

私は悪魔に視線を向けると、
「私はあなたのことを愛していません」
と、言った。

悪魔は驚いたと言うように目を見開いて、
「――そんなの…そんなのウソだ!」

私に向かって叫んだ。

肯定の意味を込めて口を閉じた私に、
「――わっ…わっ、うわーっ!」

悪魔はその場から逃げ出そうとした。

しかし、
「ちょっと失礼」

逃げ出そうとした悪魔の腕を制服を着た警察官がつかんだ。
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