ヴァニタス
 * * *

今から2ヶ月前のこと。

悪魔が閉鎖病棟に入院したことを聞いた翌日、私はいつものように武藤さんのお見舞いに訪れた。

「武藤さん…」

ドアを開けた瞬間、私は驚いた。

「やあ、果南ちゃん」

武藤さんが私の名前を呼ぶと、私に向かって手を振ってきた。

「こんにちは」

武藤さんの隣に立って私にあいさつをしてきたのは、
「クロエさん…」

クロエさんだった。

「あ…どうも、こんにちは」

私はクロエさんにあいさつを返した。

クロエさんもお見舞いにきていたんだ…。

彼女も武藤さんの関係者だから、彼のお見舞いにくるのは当然のことだろう。
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