ヴァニタス
詳しいことを報道されていなかったことに、私はホッと胸をなで下ろした。

クロエさんは私の顔を覗き込むと、
「ムトウはストーカーからあなたを助けた。

それは彼自身の意思で行動したことなんでしょう?

ムトウはあなたを守るためにストーカーと戦ってストーカーに立ち向かった、それが事件の詳しいことでしょう?」
と、言った。

「はい」

私は首を縦に振ってうなずいた。

「ムトウも無事でよかったけど、1番はあなたも無事だったってこと。

加害者が罪に問われないのは悔しいことだけど、結果的にはあなたはもうストーカーに追われることもなければ命を狙われることもなくなった。

これからは、あなたはムトウと一緒に幸せになれるのよ」

クロエさんは私の頭のうえにポンと自分の手を置いた。
< 291 / 350 >

この作品をシェア

pagetop