スイートナイト
「ちゃんと話をすれば、わかってくれるよね…」

私は自分に言い聞かせるように呟いた。

大学時代の頃からつきあってきた親友だ。

優と離婚を考えていること。

巽と一緒に暮らしていること。

包み隠さず、ちゃんと静香に話そう。


いつものように巽を仕事へ送り出すと、私は静香との待ち合わせ場所であるタリーズへと向かった。

「静希ちゃん!」

私の姿を見つけた静香はホッとしたような顔をした。

「ごめんね、心配かけちゃったみたいで」

私は静香の向かい側の椅子に腰を下ろした。
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