スイートナイト
「ごめんね、ずっと黙ってて」

私は呟くような声で静香に謝った。

「何にも知らなかったあたしが悪いから…。

優さん、離婚のこと一言も言ってなかったから」

「優は、なんて言ってたの?」

質問した私に、
「静希が家を出て行った、実家へ電話しても帰ってきていない、って」

静香は答えた。

「そう…」

私は呟くように返事した。

「優さんのことは、どうするの?」

続けて質問してきた静香に、
「もちろん、ちゃんと離婚するわ。

いつまでも隠れてる訳にはいかないもの」

私は答えた。
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