スイートナイト
「…しつこくされてたの?」

仕事のことは聞いちゃいけないとはわかっているけど、つい聞いてしまった。

「うん、いつもね。

店にもくるし、告白もされるし…静希に出会う前からつきまとわれてた」

巽はやれやれと言うように息を吐くと、
「まあ、こんなことはしょっちゅうだから。

勝手に勘違いされた客につきまとわれるのは今に始まったことじゃないし」

そう言い終わった後、巽は私に手を差し出した。

「結構近いけど、手を繋いで帰ろ?」

照れくさそうに言った巽に、私は嬉しくなった。

手を繋ぐのは、デート以来かも知れない。
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