スイートナイト
部屋に入ったとたん、雫ちゃんはロングヘアーのウィッグを外した。

「えー、外しちゃうんですかー?」

とたんに、巽にはガッカリしたような声を出した。

「ウィッグって結構暑いんだよ」

雫ちゃんはそう返すと、手でパタパタと頭をあおいだ。

「雫ちゃんの女装姿、すっげーかわいかったのに…」

巽は口をとがらせた。

「もう2度とやらないよ」

雫ちゃんはテーブルのうえにウィッグを置いた。

真鶴さんは軽く咳払いをすると、
「話は聞いたと思うが、今回の件が解決するまで2人にはしばらくここで隠れてもらう」
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