スイートナイト
「ま、今日はこれを奢るってことで見逃してやるよ」

そう言って巽くんは、ミルクキャンディ2袋を自分のかごの中に放り込んだ。

「えっ…私、1つでいいんだけど…」

「誰が2つも奢るって言った?

1つは俺ンだよ」

巽くんが呆れたように言った。

「そのキャンディ、好きなんだ…」

呟くように言った私に、
「ガキの頃によく食べてたからな」

巽くんが答えた。

「久しぶりに見かけて懐かしくなったから買うか、って」

「私もミルキーは苦手だけど、これはよく買って毎日のように食べてた」

彼の話に乗った私に、
「へえ、あんたとは気があいそうだな」

巽くんは嬉しそうに笑った。
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