スイートナイト
「美味しかったー」

油のついた手をおしぼりでふきながら私は言った。

「静希さんに気に入ってもらえて、俺もすごく嬉しい」

巽くんは嬉しそうに笑っていた。

「ちょっとトイレに行ってくる」

「わかった」

巽くんが椅子から立ちあがると、トイレに向かった。

その間にカバンからスマートフォンを出した。

ミュージカルを観ていた間はずっとマナーモードにしていたのだ。

「…あら?」

画面がチカチカと点滅している。

何だろう?

画面をタップすると、電話とメールが1件ずつ。

先に電話の方を確認して見ると、
「えっ…?」

画面に表示された名前に、私は目を疑った。
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