スイートナイト
翌朝。

目を覚ますと、優はベッドにいなかった。

リビングに顔を出したけど、彼はいなかった。

「――そりゃ、そうだよね…」

時計は、9時を差している。

優が仕事へ行くのは、当然である。

キッチンを覗き込んで見たら、シンクには何もなかった。

朝ご飯を食べないで行ったらしい。

「何だ…私、必要ないじゃん…」

自嘲気味に呟いて、寝室に戻った。

優は私がいてもいなくても、何にも思わないんだ。

じゃあ、私なんて意味がない存在なんだね。

充電中のスマートフォンがチカチカと点滅していることに気づいた。
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