スイートナイト
私は手で口をおおうと、
「ごめん、ついビックリして…」

謝った。

と言うか、夜の世界って“伝説”が多いんだなあ。

帝さんや巽ももちろんそうだけど、夜の世界は“伝説”だけで成り立っているんじゃないかと思ってしまう。

「まあ声がデカい分、胸がデカいのもいいことだけど」

得意気に言った巽の頭をはたいた。

「イッテ…」

巽が私をにらみつけたが無視をした。

「おーい、静希ちゃーん」

「…何よ」

怒った…ふりをして返事した私に、
「いっぱい愛してあげるから許して?」

巽が言った。
< 85 / 186 >

この作品をシェア

pagetop