スイートナイト
「なるほど…」

私は納得したと、首を縦に振ってうなずいた。

「勤めていた頃はバレると厄介だから隠れてつきあってたさ。

その後2人は帝さんに誘われて引退と同時に自分たちがつきあっていることを明かしたんだってさ」

「へえ、そうなんだ…」

静香と言い、帝さんと言い、巽と言い、今日初めて会った雫ちゃんと言い…何だか、私の周りはすごい人だらけのような気がする。

「ちなみに真鶴さんなんだけど…」

巽が何かを言いかけた時、
「俺が何だって?」

「わっ!」

後ろから声をかけられ、私たちは驚いた。

視線を向けると、黒髪がよく似合う純和風のイケメンだった。

背は180以上は軽くあるうえに、柔道か剣道をやっていたんじゃないかって言うくらい躰つきもいい。

この人が、今巽くんが言っていた“真鶴さん”って人だと思った。
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