スイートナイト
「はー、西園寺の記録を打ち破った巽にもとうとう彼女ができたんだなー」

真鶴さんはおおげさに言うと、巽の隣に腰を下ろした。

「お待たせしましたー」

雫ちゃんがウーロン茶を持って戻ってきた。

「雫、俺の分はないのかよ?」

そう聞いた真鶴さんに、
「真鶴さん、その場にいなかったじゃないですか」

雫ちゃんは返した。

「その場にいなかったって、俺の分も出すのがフツーだろうが」

「はいはい、今出しに行きます」

雫ちゃんは私たちの前にウーロン茶を置くと、また奥の方へと行った。

男と女だったら、お似合いの夫婦になったんだろうな。

私はそんなことを思うと、ウーロン茶を口に含んだ。
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