スイートナイト
「知りあいなの?」

真鶴さんが聞いた。

あ、そうだ。

知っていても当然だった。

このお店は雫ちゃんと真鶴さんの2人で経営してるって、さっき巽から聞いたばかりだ。

当然、真鶴さんが静香の名前を知っていても当然だ。

「大学時代からの友人なんです」

そう答えた私に、
「ちょっとさー、俺の前で真鶴さんと話すのやめてくんない?

俺、さっきから蚊帳の外なんですけどー」

すねた巽が私と真鶴さんの間に入ってきた。

「はい、真鶴さん、ウーロン茶です」

雫ちゃんが真鶴さんの前にウーロン茶のグラスを置いた。

「おっ、サンキュー」

真鶴さんは嬉しそうにウーロン茶を手に持つと、口に含んだ。
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