放課後ラプソディー
「ううん、本当に大丈夫!ありがとうね!」

これは私一人で解決する問題なんだ。

「いえ、俺は少しでも桃先輩の力になりたいですから。」

瞬君はそう言って笑った。

その笑顔になんだか鼓動が早くなる。

なんなんだろ、これは。

最近私、おかしいんだよ。

そういえば瞬君は好きな人とかいるのかな。

もしかして、彼女とかもいるのかもしれない。

だって優しいし、明るくて話しやすいもん。

「じゃあまた、夏休み明けにね!」

時計を見ると、すでに八時前。

引退式はまた後日正式にあるけど、やっぱり今まで一緒に頑張ってきた三年の先輩との別れは名残惜しいもので。

「桃先輩、暗いから気をつけてくださいね!」

「大丈夫!私、一応瞬君より年上だから!」

本当にやさしいな、瞬君。

合宿の夜に二年生の中でも瞬君は人気だったもん。

子犬みたいに可愛いのに、意外と真っ直ぐで男らしいところもあるギャップがいいみたい。


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