ここに在らず。


「…ナツキ?」

「今日図書館でまたお会いしまして、そこで話を…そうだ、ナツキさんは翻訳されていないそのままの英文学の本を読まれていました。すごいですよね、私にはさっぱり分かりませんでした」

「……」

「そういえば、トウマさんのおっしゃる通りでした。ナツキさんは私の事が気になられているそうで、でも私の何に対してなのかはさっぱり…ナツキさんの考えは私にはよく分からないんです」

「……」

「それで最後に私の名前を聞かれて、その時教えて頂きました。あの人はナツキさんというお名前の方です。それで……あ、そういえば。名前は秘密だとナツキさんがおっしゃっていたのに…って、これも夢ですもんね。良かった、約束を破ってしまう所でした」

「……」

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