ここに在らず。


「でも何故でしょう?なんで秘密にしたいのか…あぁきっとこれが話したかったのかもしれません。だから私はきっとここに居るんですね。でもこんな事話されたって困ってしまいますよね、すみませんでした。秘密を教えてもらえたのだと、きっとどこか浮かれた自分が居たんでしょうね、恥ずかしながら」


そう言って、私はまたトウマさんの様子を窺った。するとトウマさんはまたとても難しい、私には心境が読めないような表情をしてこちらを見ていて、その様子にあれ?と、私は首を傾げる。


「トウマさん?どうされました?」

「…そいつはナツキというんだな?」

「あ、はい。そうですけど…それがどうしました?」

「……」

< 121 / 576 >

この作品をシェア

pagetop