ここに在らず。


トウマさんは私の微妙な変化に何故かいつも気付いてくれる。


「今日の君はなんだか…いつもと違う」


それはきっと、しっかりとその瞳で私を確認してくれているからで。


「え、えっと…そうですね。今日はなんだか寂しくなったりして…」


…だから、私は尋ねない。


「でも今トウマさんにお会いして、なんだかホッとしました。だからもう大丈夫です」


“なんで分かったんですか?”なんて、そんな事は絶対に尋ねない。


もし尋ねてしまったとして、もしトウマさんが私の事を見ていてくれていなかったとしたら…私の求めるそれとは違う返事が返ってきたとしたら、それはきっと、私の夢の終わりを意味すると思った。

< 135 / 576 >

この作品をシェア

pagetop