ここに在らず。
一度しか会っていない何も知らない彼に対して抱く、信頼感と安心感。その矛盾を理解した時、衝撃を受けたと共になんだか悲しくて…虚しさと、寂しさを感じた。
こんなにも私という人間は歪んでいたのかと。今までのトウマさんとのやり取りで感じていた温もりのような感覚は、全て私が欲したから生まれたもの。それはトウマさん本人の意思で与えてくれた訳ではないけれど、私はその温もりが欲しくて夢を見ていた。
…つまり、それが得られるのであれば、私はトウマさんじゃなくても別に良かったという事で。
それを…今更ながらに実感した。するとすごく虚しくなった。私は結局人の事を想った事が無いのだと。今までの抱いていた想いは全て偽物だったのだと分かった。まるで夢の中での恋愛ごっこ。