ここに在らず。


私はトウマさんの視線から逃れるように俯いた。膝の上で握りしめる掌が汗ばんでいる。


どうすればいいのだろう。何て答えればいいのだろう。何も無いですって答えればいいのかな…でも嘘はつきたくない……なんて、それこそ私の我が儘だろうか。

でももし私がそれを言ったら、トウマさんはどうなる?私が自分の気持ちに気づいて寂しくなっただなんて、温もりが欲しかっただけだなんて口に出したら、この夢はどうなる?

トウマさんはそれでも私の所に居てくれるの?



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