ここに在らず。
そしてナツキさんは溜息を一つつくと、「じゃあな、サエ」なんて私に告げてパタパタとリビングから出て行った。
私はというと、今目の前で行われたやりとりにキョロキョロと目をやる事で精一杯で…なんだったんだと惚けるしかなかったりする。
するとそんな私の耳に、「やれやれ」というトウマさんの呟きが聞こえてきた所で、私はハッと我に返った。
「あの、トウマさんって、デザイナーさんだったんですね」
そう言ってトウマさんの方へと視線を向けると、トウマさんは眉尻の下がった笑みを浮かべてみせた。それにあれ?なんて思う間も無く、トウマさんは「体調は?どうだ?」と私に尋ねる。