ここに在らず。


わ、私はなんて事を!なんて失礼な事を‼︎ 私、私今、なんかすごい暴言を吐いていたような、そんな、本当に、もう本当に、


「ど、どうしよう〜…」


…泣きそうだ…


「…っ、」

「……へ?」

「ぁ、あははははっ‼︎ 」

「えぇ⁈ 」


すると突如、何故か爆笑し始めたトウマさん。

こんな風に笑うトウマさんは初めて見た。という今、何故このタイミングで…というかなんで?なんで笑ってるの⁇


頭の中にはハテナマークしか浮かばない私。怒りを通り越してしまったということ?なんて、そんな恐ろしい事を考えて身震いする私を見てトウマさんは、一笑いが済んだ後、こう言った。


「じゃあ、これからはずっと一緒に居よう。頼みたい事も一杯あるんだ」


楽しそうに、でもそれ以上に嬉しそうな表情でトウマさんは微笑んだ。それに私は…今までの焦りやら何やらを全て吹き飛ばして、「はい」と、答えた。きっとその時の私も、彼と同じ表情をしていたと思う。


「やっと本当の事が聞けた」


そう言ったトウマさんは、とても満足げで…その日から、何かが吹っ切れたかのように、私達の距離は変わっていった。



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