ROMANTICA~ロマンチカ~
どこへも行って欲しくなかった。
ここにいて欲しい、つかまえていたい……
そんな気持ちからか、無意識のうちにあたしは彼の手に触れていた。
――何か言わないと……涼輔さんが元気になるようなことを言わないと……。
思いばかりが募り、口をついて出てきたのはこの一言。
「涼輔さん、あの……あたし、嬉しいです」
「は?」
あたしこそ、自分に「は?」と言いたかった。
「今の話聞いてた?」
「えっと、あのぉ……だから、涼輔さんが自分のことをお話してくれたのって、初めてだから……」
「ふーん」
面白くなさそうだった。むしろ、場が白けているぞ。
「あ、あの……涼輔さんのスピーチ、すごく良かったと思います。
これ、お世辞じゃなくって。ママのことにも触れていただいて、ありがとうございました。
あたし、感激しました。
千住ドットコムの皆さんも、みんなそうだったと思います。
泣いてた人もいましたから」
ここにいて欲しい、つかまえていたい……
そんな気持ちからか、無意識のうちにあたしは彼の手に触れていた。
――何か言わないと……涼輔さんが元気になるようなことを言わないと……。
思いばかりが募り、口をついて出てきたのはこの一言。
「涼輔さん、あの……あたし、嬉しいです」
「は?」
あたしこそ、自分に「は?」と言いたかった。
「今の話聞いてた?」
「えっと、あのぉ……だから、涼輔さんが自分のことをお話してくれたのって、初めてだから……」
「ふーん」
面白くなさそうだった。むしろ、場が白けているぞ。
「あ、あの……涼輔さんのスピーチ、すごく良かったと思います。
これ、お世辞じゃなくって。ママのことにも触れていただいて、ありがとうございました。
あたし、感激しました。
千住ドットコムの皆さんも、みんなそうだったと思います。
泣いてた人もいましたから」