ROMANTICA~ロマンチカ~

12.記憶~涼輔

「ツッ……!」
 

ベッドの上で、涼輔は歯を食いしばった。

 
「しみる?」
 

「……少しだけ」

 
「はい、終わった。涼輔君、君は本当に強いな」


 
武藤医師に誉められても、てんで嬉しくなさそうな口調で、


 
「子供みたいな言い方、よして下さいよ」
 

「そうだね。君は立派な、大人の男だ」
 


消毒した傷を薬品を染みこませたガーゼで湿布し、包帯が巻かれる。
 


「後二、三日は大人しくしていなさい」
 


涼輔の右腕を包帯で吊ると、武藤医師は言った
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