ROMANTICA~ロマンチカ~

3.執事さんと一緒

コンコンというノックの音。



慌てて涙を拭って返事をすると、執事の原島さんだった。


アルバムのようなものを小脇に抱えている。
 


「失礼致します。都季様、お忙しゅうございますか?」
 

「いいえ、全然です。ヒマを持て余していたところなんです」
 


ヒマではなかったけれど、本音では誰か話し相手が欲しかったから、そう答えた。
 


原島さんが持っていたのは、氷室涼輔のアルバムだった。
 


あたしたちは部屋の扉を開け放し、センターテーブルにアルバムを広げ、二人ならんで座った。

そして、氷室涼輔の子供時代の写真を見て大いに盛り上がった。
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