ROMANTICA～ロマンチカ～
「そ、そんな、頭をお上げになって下さい。

原島さん、涼輔さんは寂しくなかったと思いますよ」
　

あたしの言葉に原島さんはキョトンとした。
　

「だって、原島さんが身近にいらっしゃったから。

原島さん、涼輔さんのこと本当に可愛がっておいでなんですね」
　


原島さんの顔が明るくなった。
　


「わたくしが涼輔様の教育係の仕事を任せられた時には、もう自分の子供たちは成長していましたからね。

こう言ってはなんですが、第二の子育てのような感じはありましたね。

軟弱な男に育てるな、という大旦那様のお申しつけもあり、必要以上に厳しく接してしまったこともあったかもしれませんが」


　
「そうですかぁ。でも、もう二人はラブラブって感じがしますもん。

あ、これ変な意味じゃなくて」
　


「ええ、そう言っていただくとわたくしも嬉しゅうございます。あ、この写真は……」
　


その時、


　
「コホン！」

　
咳払い。

温度で表せば絶対零度。
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