年下の不良くん《番外編》
「心配せずに休んでろ」
ちゅっとりりかの可愛い唇にひとつキスを落とすと、ぼっと顔が真っ赤になった
「もうっ風邪が移っちゃうでしょっ!!」
そんな初々しいところが、またいい
「──ままをたべるなー!!」
急に寝室のドアが全開になったかと思うと、海鈴が仁王立ちにして立っていた
さっきの言葉からすると、見てたのか今の…
「別に今のは食ったわけじゃねぇよ」
「そう、愛の証なんだよ
それにママは強いから食べられないんだよ??」
「…ほんとに??」
今にもりりかに飛び込みたい様子だが、グッと堪えてその場にもじもじする、海鈴
とても小さな風邪でも、抵抗力の低い子供には移りやすい為、寝室には入ってくるなという注意を、我が家のやんちゃ坊主は律儀に守っているのだ
「うん、本当
海鈴にもママが元気になったらしてあげるね
だから、今日は我慢してくれる??」
「うん!!
おれ、れどだからがまんできる!!」
俺は小さなやんちゃ坊主を抱っこすると、海鈴の手を取りバイバイさせてから、静かに寝室のドアを閉めた
────…………
「ぱぱ!!これよんで!!」
昼飯の茶碗を洗っていると、海鈴が絵本を両手に抱き締めて駆け寄ってきた
「ん、わかった
もうちょいで終わるから、ソファーに座って待ってろ??」
「わかたー!!」
戻った海鈴は、リビングで瑠璃の相手をしてくれていた