年下の不良くん《番外編》
海鈴と瑠璃を膝に乗せて、絵本を読み聞かせ
今日の絵本は、かの有名なシンデレラのお話
珍しく海鈴がメルヘンチックな絵本を選んだなと驚いたが、どうやら瑠璃のリクエストだと海鈴が言っていた
瑠璃はまだ生後間もないので話せないのに、海鈴には瑠璃の話がわかるらしい
子供同士のテレパシーってやつか??
そう思うと、子供ってマジですげぇなと思う
「なーなー、ぱぱとままもこんなかんじだた??」
お、まさかのここでのふり??
「うーん…まぁ、こんな感じだな」
高1の前期は、物語の王子みたいにずっとりりかを追っかけてたしな
りりかを見つけた時の気持ちは、絶対この王子よりも勝ってるな
「そっかー…おれもぱぱとままになれる??」
きっと海鈴は、“パパやママみたいになれる??”
と聞きたいのだろう
「そうだなぁ…お前が俺よりもっとでかくなって、一人の女を守れるってくらいの男になったらなれるな」
まぁ、お前にはまだまだ早い話だよ
「うーん…おれわかんない」
「だろうな
…ほら、昼寝でもするか」
海鈴と瑠璃に毛布を掛けてやり、三人で雑魚寝をした
それを起きてきたりりかが、微笑ましく写メに残していた事なんて、寝ていた等の本人は知るよしもない──……
───終───