冬桜 −二度咲くモノ-
「実はね、私は聖が子供の時から知ってるんだよ。
亡くなった彼の父親は、私の会社で働いていたんだ。だから、昔から気にかけていたんだ。

中学の時にスカウトされて、この世界に入ると聞いた時は本当に心配したよ。
この業界がハードなのは、知りすぎるほど知っていたからね。だから、表立ってはしてないが、ずっとバックアップしてきたんだ。」


納得した。


そんなつながりがあったのか。


山村さんは今回のコマーシャルで出会ったにしては、聖をすごく見守っている気がしていたし、昨日今日の仲ではないように感じていた。


「これから話すことは、蘭を怒らせるかも知れない・・・。だけど、最後まで聞いてほしい。」

と神妙な顔をしている。


話の想像がつかない以上

「はい。」

としか答えられない。
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