冬桜 −二度咲くモノ-
「聖は、大切な人を残して逝くということの辛さをわかっていたから、ずっと遠ざけてきたんだと思う。

もちろん、出会ってから2人の気持ちがどう動くかは、私がどうにかできるものじゃない。
だから、今のそれぞれの感情まではわからないが。蘭と聖が出会うことによって、お互いに何かを感じあってくれたら嬉しいと思っていたんだが・・・・・。
蘭を怒らせてしまったかな?」


もちろん怒っている。


はずなのに・・・


今までの私なら当然のように怒っていただろう。


でも、なんでだろう。

怒ってないんだよ私。

逆に感謝しようとしている。


さっきの加奈子さんの言葉。
聖の言葉。
佐伯さんの言葉。
山村さんの言葉。

色んなものがクルクルクルクル、私の中を駆け巡っている。
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