歪み
「別にね、その…
無理してまであたしといなくていいと思うんだ。
嫌とかじゃなくて、
もし拓が無理してるんだったら、だけど。
拓は小さい頃からあたしのこと支えてくれて
大切な人、だから…
だから無理してほしくないんだ」
凛とした目に動揺する。
動揺を隠すように笑って、
真柚の頭をくしゃっと撫でた。
「なーに言ってんだよ。
俺が無理してるわけないだろ。
それに今更真柚の事放っとけないし。
別に義務で真柚といるわけじゃないから。
俺がいたいだけ」
そう言って笑うと真柚も笑った。
思春期って難しい。
何となく思った。
「…そんなあたし危なかっしくないし」
ぽつりと呟いて頬を膨らます。
綺麗な顔に幼さが宿る。
何故かほっとした自分がいた。