最高の贈り物〜クリスマスの奇跡
「…ねぇ、もっとよく顔見せてよ。麻衣」
あたしの肩を押して、自分から引き離した。
そして覗き込むようにあたしの顔を真っ直ぐに見つめる。
だめ、今涙でグシャグシャで化粧も落ちかけてる。
こんな顔見られるくらいなら、もうちょっと化粧濃くしてくればよかった。
泣いて化粧が落ちても、落ちきれない程度にしてくればよかった。
「…うぅ、見ないでよ……今の顔、めちゃめちゃだから……」
そう言って顔を隠そうとしても、我がままな裕也はあたしの両手首を掴んで顔から離した。
「…だーめ。もっとよく見せて?
麻衣とは5年も会えなかったんだから。
麻衣が俺の隣にいるって実感させてよ」
そんなのあたしだって同じだよ。
あたしだって裕也があたしの目の前にいるって、実感したい。
これは夢じゃないって思いたい。
顔が涙で濡れながらも真っ直ぐに裕也を見つめる。
すると裕也はふっと微笑んであたしの顔をまっすぐに見つめてきた。