新選組と妖猫ちゃん!

殺し屋、営業中です☆



ーーーチリンーーー


「ギャアアアアアアア!!!!!」


とある月夜。
夜の京に鈴の音と叫び声が響き渡る。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ふぃーっ、お仕事完了!」


私は刀についた血を振り払った。


暗い路地裏が、
死んだ男の人の血で
真っ赤に染まっている。


…ちょっと派手にやりすぎたかなぁ?


私は死んだ男の人を見下ろした。


見た目はまだ若く、
顔立ちも人の良さそうな顔で、
とても恨まれるような人には見えない。


こんなにも一瞬で散ってしまうんだな、

・・
人間の命って。


私は腰を降ろして、
静かに手を合わせた。


そして、暫くして、
閉じていた目を開けて、
そっと死んだ男の人の
胸の辺りに手をかざす。


すると其処から、
ぽわっと小さな青い光が出てきた。


私は大事にそれを手に取って
私の口元に運び、


ゴクン


静かに飲み込んだ。


「っはぁ…」


私の一族は、
身体が安定するまで、
こうやって人の魂を食べないと
姿が元に戻っちゃう。


…まぁ、此処まで言ったら、
私が人間じゃない事は分かったよね?


私は猫又。


妖怪の話に出てきたりするアレ←
尻尾が二つに分かれてるやつ!


訳あってお父さんとお母さんは
もうこの世にはいない。


だから、
一番手頃に魂が手に入る
殺し屋をやって生計をたててるんだ。


「…そろそろ行こっかな。」


私は、
その場を立ち去ろうと、
立ち上がった。


すると、


ガサッ!


「!?誰?」


私の真後ろにあった茂みが
音を立てた。


微かに人の気配もする。


私はさっき鞘に納めたばっかりの刀を抜き、その茂みの方へと向けた。


さっきの魂を食べたところを
見られたらまずい!!


私が妖怪ってばれちゃう!!


私は全神経を
その茂みの方へと集中させた。


すると、


「お主は…
人斬りお鈴という者か?」


何処かの藩士だろうか、
刀を腰にさしたおじさんが
私の刀にビビる事もなく
茂みの中から出てきた。


刀は抜いていないから、
…敵意はないのかな?


私はおじさんへの警戒は緩めずに、
刀を降ろした。

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