キケンなアイツとの生活
とにかく走って走って、走りまくった。雨がどしゃ降りに変わって、靴ん中にまで水が入ってきて、グチャグチャいってたけど、そんなのさえ、どうでもよかった。とにかく、頭ん中の映像をどうにかして忘れたかった。
けど、走っても走っても、消えない妄想。蒼甫がわたしじゃないオンナの子に触れる。わたしじゃないオンナの子にキスをする。もう、頭が狂いそうになった。
どこまで走ったのか、全然わからなかった。ただいつもの知ってる道ではなくて、路地に入ってしまったのか、わたし一人では帰れない場所だった。
雨に濡れないように、カバンの中で携帯を開くと、優ちゃんからメールと電話があった。
《愛梨、着いた?わたしは着いたよー》
《ねぇ、愛梨?家に着いてるよね?》
《ちょっと!冗談はやめなさいよ?なんでもいいから、連絡して!》
そうだった…。優ちゃんに連絡することになってたんだ…。連絡入れなきゃ、優ちゃん心配してる…。そう思うのに、指が動いてくれない。だけど、必死に両手でゆっくり操作すると、ワンコールもしないうちに、優ちゃんが電話に出た。
『ばかっ!!』
優ちゃんの一言は、こうだった。怒ってる…って、当たり前か…。
「ごめ、なさっ、優ちゃ、」
『愛梨…?泣いてるの?ねぇ、どうしたの!今どこにいるの!』
「わか、ないっ、優ちゃ、もうヤダぁ……」
ひどく泣きじゃくってるわたしの言葉は、きっと聞きにくかったに違いない。けど、優ちゃんは電話を切らずに、わたしが落ち着くまで待ってくれた。
けど、走っても走っても、消えない妄想。蒼甫がわたしじゃないオンナの子に触れる。わたしじゃないオンナの子にキスをする。もう、頭が狂いそうになった。
どこまで走ったのか、全然わからなかった。ただいつもの知ってる道ではなくて、路地に入ってしまったのか、わたし一人では帰れない場所だった。
雨に濡れないように、カバンの中で携帯を開くと、優ちゃんからメールと電話があった。
《愛梨、着いた?わたしは着いたよー》
《ねぇ、愛梨?家に着いてるよね?》
《ちょっと!冗談はやめなさいよ?なんでもいいから、連絡して!》
そうだった…。優ちゃんに連絡することになってたんだ…。連絡入れなきゃ、優ちゃん心配してる…。そう思うのに、指が動いてくれない。だけど、必死に両手でゆっくり操作すると、ワンコールもしないうちに、優ちゃんが電話に出た。
『ばかっ!!』
優ちゃんの一言は、こうだった。怒ってる…って、当たり前か…。
「ごめ、なさっ、優ちゃ、」
『愛梨…?泣いてるの?ねぇ、どうしたの!今どこにいるの!』
「わか、ないっ、優ちゃ、もうヤダぁ……」
ひどく泣きじゃくってるわたしの言葉は、きっと聞きにくかったに違いない。けど、優ちゃんは電話を切らずに、わたしが落ち着くまで待ってくれた。