キケンなアイツとの生活

どうしよう…。こんなに、寂しいと思うなんて、思いもしなかった…。ツンと鼻の奥が痛くなって、涙が溢れてくる。


「冬弥さぁ、ん…っ、」


そう、ひとつ名前を呼び上げた時。扉が開く音が聞こえた。


「愛梨…？なんで泣いて、」
「冬弥さんっ…！」


冬弥さんの姿を見つけ、必死でしがみついた。


「愛梨、どうした？」
「だって、冬弥さんいなくてっ…、」
「寂しくなった？」


冬弥さんの言葉に、小さく頷くとクスッと笑うのが分かった。


「ごめんな？途中で抜けてきたからさ」
「あ……、ごめんなさい」


わたしのせいで、冬弥さん仕事できなかったんだよね…。そうだよね、社長さんなんだもんね…。わたしなんかに、構ってる暇なんてないんだよね…。


「いや、大丈夫だから。なにも言わずにいなくなったオレが悪いよ」
「………」