キケンなアイツとの生活
優ちゃんは、そう言うとヒラヒラ手を振っていなくなってしまった…。優ちゃんの話だと、冬弥さんが見えたみたいだけど…。


「なんで無視すんの」
「っ、」


突然肩を叩かれ、ビクッとしたカラダ。おそるおそる、振り返ると、少しだけ怒った冬弥さんが立っていた。


「車乗って」
「………」
「聞こえなかった?」


こわい…。すごい圧かけてくるんだけど…。動けないわたしに、冬弥さんは腕を掴むと助手席の前まで、わたしを連れて行き無言の圧力で乗れと言ってる目をして、おとなしく乗ることにした。


「どこ…行くの…?こっち、家じゃないよね…?」


そう聞いても冬弥さんは、なにも言ってくれなくて、さっきわたしが取った態度もこうだったのかなって、思うと申し訳なくなってしまった。


「眠たかったら寝てればいいよ」


15分くらい走った頃だったかな。少しだけ眠くなった時に、かけられた言葉。起きていようと思うも、心地良い揺れに自然と意識が飛んで行った。


そして、次に声をかけられた時には、もう目的地に着いていた。


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